2026.01.30
遮熱塗料“エシカルプロクール”シリーズを徹底比較!「F・Si・A」って何が違うの?
『遮熱塗装で、暑い夏を何とかしたい…』
特に夏場に向けたお客様からは、このようなご相談を多くいただきます。そこで当社では「エシカルプロクール」という遮熱塗料をこだわって使用しているのですが、実はこの“エシカルシリーズ”の中にも種類がありまして、当社では、
どんな施工を行いたいか?
どれくらいの価格に抑えたいか?
上記のようなお悩みをお客様とすり合わせた上で、最適なグレードを選択しています。
そこで本記事では、そもそも『エシカルシリーズって何?』『グレードごとに何が違うの…?』というお悩みに対して、わかりやすく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください!
この記事でわかること
エシカルシリーズって何?
エシカルシリーズの耐用年数は?
具体的な判断基準ってどこ?
そもそも:『エシカルプロクール』シリーズとは?
エシカルプロクールとは、国が定めた性能基準(JIS規格)をクリア※した高機能な遮熱塗料です。
従来の遮熱塗料は太陽光(赤外線)を反射する性能に特化していましたが、エシカルプロクールはこれに加えて塗膜自体が“熱を放出する性能”も備えているため、強力な遮熱効果が期待できます。
また、エシカルプロクールはあらゆるシーンに対応できるよう複数のラインナップが用意されています。屋根・壁用シリーズは以下の3タイプです。
エシカルプロクールA(アクリル樹脂塗料)
エシカルプロクールSi(アクリルシリコン樹脂塗料)
エシカルプロクールF(フッ素樹脂塗料)
※うちシリコン(Si)タイプがJIS規格を取得
エシカルプロクールの詳しい特徴や評判については、別の記事で詳しく解説していますので、気になる方はそちらもご覧ください。
シリーズの大きな違いは「耐用年数」にあり!
含まれている樹脂のタイプ(アクリル・シリコン・フッ素)によって3つに分けられていますが、大きな違いは「遮熱性能」ではなく「耐用年数」にあります。
ここでは、各シリーズの耐用年数と基本的な特徴を詳しく見ていきましょう。
アクリルタイプ(A):6~8年だが、施工費用を抑えやすい!
水性アクリル樹脂が含まれているエシカルプロクールAです。
期待耐用年数は約6~8年で、シリコンやフッ素より紫外線や雨風による劣化がやや劣る反面、施工コストが抑えられるメリットがあります。
エシカルプロクールである以上、遮熱性能はしっかり備えているので「遮熱効果は欲しいけど費用は抑えたい!」という方に推奨しています。
シリコンタイプ(Si):10~15年で“JIS規格”も取得!
水性アクリルシリコン樹脂が含まれているプロクールSiは、約10~15年の耐用年数が期待できます。
シリコンタイプの塗料は価格と耐久性のバランスが良いのが特徴で、「迷ったらシリコン」で選んでいただいても問題ありません。
エシカルプロクールSiとしての大きな特徴は、何といってもシリーズ中唯一のJIS規格(日本産業規格)認証製品であることです。
※JIS K 5675(屋根用高日射反射塗料)1種
そのため遮熱性能への信頼で選ぶなら「エシカル(Si)を推奨」とお伝えさせていただくケースが多くあります。
【親方の豆知識】JIS規格の「取得」と、JIS「相当」は別物!
JIS K 5675という規格は、屋根塗料の品質を決める“試験方法や品質基準を定めた規格”のようなものなのですが、エシカル(Si)はこのJIS規格を“取得”しています。
実は遮熱塗料の性能を表しているケースでは、『JIS規格取得』と『JIS規格相当』があります。
「取得」は文字通り、国の試験に合格しているという証拠なのですが、「相当」は、同じような試験を自社で行って問題がなかった。というニュアンスが強く、厳密にはJIS規格を取得していないんです。
もちろんJIS相当でも一般塗料と比較したら性能は高いのですが、『見積もりが高いの、JIS規格相当だからですよ』といった提案にはご注意いただければと思います。
フッ素タイプ(F):16~22年
そして水性フッ素樹脂が含まれているプロクールFは、シリーズ最長の約16~22年の耐用年数になります。
もともとフッ素タイプの塗料は高層ビルや橋梁などにも使われてきた最高級グレードの塗料で、非常に耐候性・耐久性が高いのが特徴です。
エシカルプロクールの遮熱性能そのものはシリーズを通して変わりませんが、雨風や紫外線による塗膜の劣化が起きにくいため、その分遮熱効果も長持ちします。施工費用はやや高くなりがちですが、「とにかく長持ちさせたい」という個人宅にはもちろん、「塗装は一度で済ませたい」工場などの大規模施設にも最適な塗料です。
最適なシリーズは「何を重視するか」によって異なります
これまで、エシカルプロクールの3つのシリーズ(アクリル・シリコン・フッ素)について解説してきましたが、お客様にとって最適なシリーズは「何を重視するか」によって変わってきます。
初期費用をできる限り抑えたい → エシカルプロクールA(アクリル)
確実な遮熱効果がほしい → エシカルプロクールSi(シリコン)
できるだけ塗り替え回数を減らしたい → エシカルプロクールF(フッ素)
「どうしても決められない...」という方は、施工業者の意見を聞いてみたり、見積もりで価格差を確認してから決めるのも一つの方法です。
『とにかく高い塗料が正解!』ではなく、ご自宅や施設に求める内容を踏まえて、価格を比較することが大切です。
色合いによって「遮熱効果」って変わりますか?
【結論】白(淡色)の方が、日射反射率は高い!
エシカルシリーズは遮熱性能の高い塗料ではりますが、やはり選択するカラーによって遮熱性能に差が生じます。
実際、エシカルプロクールの標準色では日射反射率70~85%前後のものが多い一方、特別色(濃色系)は36~45%程度とやや低下気味になります。
濃い色をご希望の場合は、多少なり効果が下がる可能性があることを理解した上で選択いただけるといいと思います。
カラーごとの日射反射率の詳細については、別の記事で詳しく解説していますので、気になる方はそちらもご覧ください。
まとめ:エシカルプロクールの耐用年数とシリーズ選択で後悔しないために
ここまでエシカルプロクールシリーズの選び方について、詳しく解説してきました。
この記事のポイント
エシカルプロクールは3シリーズ(A・Si・F)、耐用年数は8年~22年まで!
予算重視ならアクリル、信頼性重視ならシリコン、耐用年数重視ならフッ素!
カラーによって遮熱効果に差がある!
とはいえ、高機能なエシカルプロクールであってもカタログ通りの耐用年数を実現するには、施工品質が何より大切です。
希釈率や塗布量の管理、下地処理、インターバルの徹底など、メーカー規定に沿った施工を行って初めて、塗料本来の性能が発揮されます。どれだけ高性能な塗料を選んでも、施工が不適切なら期待した耐用年数・性能を発揮することができないのです。
馬渕塗工では、メーカー規定を遵守した施工をお約束します。
「遮熱効果って本当に体感できるの?」「うちの家だとどのシリーズが最適?」といった疑問があれば、一級塗装技能士の視点からお答えできます。
診断・お見積もりは無料ですので、お気軽にご相談ください。
しつこい営業や強引な勧誘は一切行いません。お客様が納得し、満足いく選択ができるよう、最適なプランをご提案します。
2026.01.30
【色って大事?】遮熱効果が高い「エシカル塗料」でもカラー選択は重要になる?
遮熱効果が高い塗料として当社でもよくお客様に選ばれる、エシカルプロクール塗料。
ただお客様から「やっぱりエシカルシリーズでも、白の方が遮熱効果ありますか…?」とよくご質問いただきます。
この記事では、色別の日射反射率のデータと、遮熱効果を最大限活かす色選びの方法を解説します。
この記事でわかること
エシカルプロクールで選べる色のバリエーション(全27色)
色別の日射反射率の具体的な数値とその差
明るい色と濃い色の違い、表面温度への影響
遮熱効果を最大限活かすなら白系・淡色を選ぶべき理由
工場・倉庫での具体的な使い分けの方法
そもそも「エシカルプロクールって何…?」という方は、こちらにわかりやすくまとめておりますので、ぜひご覧ください。
エシカルプロクールは何色ある?
エシカルプロクールは、屋根や外壁向けの高遮熱塗料です。反射+放熱の2段階遮熱機能で、建物表面温度の上昇を抑えます。
エシカルプロクールは全27色から選べます。どのような色があるのか、基本情報を紹介します。
合計「27色」の中から選べる!(標準色22色/特別色5色)
標準色(一部抜粋)
特別色
エシカルプロクールは、全27色(標準色22色+特別色5色)から選べます。
標準色22色は、白やアイボリーなど明るい色~中間色が中心で、遮熱効果が高い色です。特別色5色は、黒やダークブラウンなど濃い色が中心で、デザイン性を重視したい方向けです。
ただし、27色全部から検討する必要はありません。「淡色と濃色」の違いを理解すれば、色選びの軸もはっきりします。
本題:色で「遮熱効果」は変わるの?
【結論】遮熱効果は色ごとに異なる!
結論ですが、やはり色ごとに遮熱効果(厳密には「日射反射率」)は変わります。
そもそも「日射反射率って何?」という話ですが、日射反射率とは太陽光(日射)をどれだけ反射するかを示す割合のことです。日射反射率が高いほど、太陽光を反射し、建物表面温度の上昇を抑えることができます。
エシカルプロクールの場合、白系(淡色)は約80%強、濃色は約40%となっており、特に屋根などの遮熱を期待するエリアであれば「白・淡色系」がおすすめですね。
【親方の豆知識】屋根であれば“効果優先”でOK
近年モダンな黒・ダーク系の外壁カラーが人気になってきており、『屋根もダーク系で統一する方が、オシャレじゃないですか?』と質問いただくケースもよくあります。
ただ屋根はそもそも見えづらい部分ですし、年中太陽の光を受け続けるエリアですから、基本「遮熱効果優先」で色を選択いただいても問題ないと思います。
特に「倉庫・工場」などの見栄えより、社内環境・労働環境改善が最優先という物件であれば、ぜひ淡色カラーをご選択いただければと思います。
もし色選びで迷うことがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
白系を選ぶとどれだけ効果がある?
白系の日射反射率は86.8%と非常に高い値です。では、白系を選んだ場合、実際にどれだけの効果があるのか。具体的な数値で見てみます。
効果①:“表面温度”20~30℃低下が期待できる
白系(最も明るい色)の日射反射率は86.8%と、最も高い値を示します。太陽光の86.8%を反射し、13.2%のみを吸収する計算です。
白系は光を反射しやすい色のため、日射反射率が非常に高くなります。白は光を反射しやすく、結果として熱をため込みにくい傾向があります。
夏場の直射日光下(気温35℃前後)で、建物表面温度を約50℃に抑えることができます。従来の塗料(日射反射率10~20%)では、表面温度が70~80℃まで上昇しますが、エシカルプロクール(白系)なら、表面温度を20~30℃低下させることが可能です。
室内温度も5~10℃下がります。従来塗料で室内温度40℃だった場合、エシカルプロクール(白系)なら30~35℃まで下がります。特に、広い屋根面積を持つ建物(工場・倉庫など)では効果が大きく表れます。
効果②:“室内温度”も5~10℃低下が期待できる
真夏であれば室内温度も5~10℃低下が期待できます。
従来塗料で室内温度40℃だった場合、エシカルプロクール(白系)なら30~35℃まで下がる可能性があります。表面温度が下がることで、屋根裏や室内への熱の伝わりが抑えられるためです。
広い屋根面積を持つ建物(工場・倉庫など)では、表面積が大きい分、効果がより顕著に表れます。天井からの輻射熱が大幅に減少し、作業環境が改善されます。
5分でわかる「遮熱体験キット」もご覧いただけます
「遮熱効果が高い」とはいえ、実際の効果は見ていただいた方が早いというのが正直なところです。
当社ではエシカルプロクールとそうでない塗料に白熱電球を当てることで、『実際に温度がどれくらい変わるのか?』を遮熱キットでご覧いただけます。体験時間も5〜10分でOK。たった数分でもビックリするくらい熱くなるんです…。
弊社ショールームでご体験いただけますので、ぜひお声かけいただければと思います。
目的別:おすすめの色はどれ?
色による効果の違いがわかったところで、具体的にどの色を選ぶべきか。目的別におすすめのカラーを紹介します。
暑さ対策なら白・アイボリー系
おすすめカラーはやはり、白、アイボリーなどの淡色系です。
白は、日射反射率が最も高いですし、すっきりした印象で清潔感があります。
アイボリーも、白に近い効果(日射反射率85%前後)で、少し柔らかい印象を与えられますし、白だと汚れが目立つ…という環境にもおすすめです。
屋根と外壁で色を使い分ける方法も!
「遮熱効果も欲しいけど、外観も重視したい」という場合は、屋根と外壁で色を使い分けることもできます。
おすすめの組み合わせは、屋根は白、外壁はダークグレーです。ダークグレーは汚れが目立ちにくく、白い屋根との相性も良いため、見た目のバランスが取りやすい色です。
屋根は日射の影響が最も大きい部分です(夏場は太陽光が直角に近い角度で当たる)。一方、外壁は屋根ほど日射の影響を受けません(太陽光の角度が浅い)。そのため、屋根は白系で遮熱効果を確保しつつ、外壁で建物の個性を出すことができます。
まとめ:遮熱効果を最大限活かす色選び
エシカルプロクールは色選びで遮熱効果が大きく変わります。遮熱効果を最大限活かすなら、白系・淡色を選ぶのが基本です。
濃色でもエシカルプロクールなら放熱機能で効果があります。デザイン性を重視する場合は、部分的に濃色を使う使い分けも可能です。
この記事のポイント
エシカルプロクールは全27色(標準色22色+特別色5色)
色別の日射反射率の具体的な数値
遮熱効果を最優先するなら白系・淡色
濃色でも放熱機能で従来塗料より効果がある!
使い分けの方法(屋根は白系、外壁は濃色でもOK)
馬渕塗工では、一級建築塗装技能士が工場・倉庫の遮熱塗装を熟知しています。完全自社施工で責任を持った施工を行い、お客様の施設の条件や目的に合わせた最適な色選びをサポートします。
エシカルプロクール塗装でお困りなら、お気軽にご相談ください。
2026.07.01
工場・倉庫の屋根塗装は必要?放置のリスクからおすすめ塗料まで詳しく解説!
工場・倉庫などの大規模施設を持つ皆様の中には「屋根塗装=コスト」とお考えの方は多いのではないでしょうか。施設のメンテナンスはどうしても後回しにしてしまいがちですよね。
しかしこの記事でお伝えしたいのは、屋根塗装というのは単なるコストではなく立派な投資であるということです。
JIS規格取得の遮熱塗料なら室温を2~3℃下げて従業員の熱中症リスクを軽減しながら、年間20万円以上の冷房費削減も期待できます。
本記事では、工場・倉庫の屋根塗装がなぜ必要なのか、どのようなメリットがあるのか、そして社内で予算承認を得るための具体的な根拠まで解説します。
この記事でわかること
屋根塗装が重要な理由と放置リスク
雨漏り防止・労働環境改善・光熱費削減の3つのメリット
JIS規格取得の遮熱塗料(エシカルプロクール)実証データ
ROI(投資対効果)の考え方
失敗しない業者選びの4つの基準
そもそもなぜ"屋根塗装"が必要なのか?
そもそも「屋根塗装に必要性を感じない」という方もいらっしゃるかもしれません。
ですが屋根というのは、外壁よりも紫外線や雨風といった過酷な環境にさらされています。
劣化症状があるのにもかかわらず放置してしまうと雨漏りや錆が進行します。工場や倉庫では最悪の場合、操業停止に至るリスクを抱えることになるのです。
屋根の劣化スピードは外壁の「約3倍」
外から目で見える外壁と比べるとその重大さは伝わりづらいかもしれませんが、屋根は外壁の約3倍もの紫外線を受けています。
実は真夏の屋根の表面温度は70℃以上に達しており、この強烈な熱と紫外線により塗膜の劣化が早まります。
さらに屋根は水平面というのも相まって大量の雨水にもさらされるため、普段は見えなくても錆や腐食が発生しやすい傾向にあります。
特に工場・倉庫の屋根は住宅よりも面積が大きく平坦な構造が多いため、紫外線や雨水の影響をより広範囲で受けています。劣化も広がりやすく、塗膜による保護が特に重要なのです。
放置すると操業停止のリスクも…
繰り返しにはなりますが、工場や倉庫で屋根のメンテナンスを怠るということは操業停止リスクを抱えていることと同義です。
在庫への被害:商品や原材料が水濡れで台無しに。大量在庫の場合被害額は莫大に
生産設備の故障:精密設備が雨水で故障すると高額な修理費が発生+生産ライン全体がストップ
漏電・火災リスク:配線や制御盤が濡れると漏電が発生。感電事故は命に関わる重大災害となり得る
カビ・衛生問題:建材が湿った状態が続くとカビが繁殖。製品回収や衛生クレームにつながる
建物構造へのダメージ:柱や梁など構造体の腐食が進み、修繕のために単なる塗装の2~3倍の費用に膨れ上がるケースも
こうしたトラブルを未然に防ぐためにも適切なタイミングで塗装を行うことが大切なのです。
【要注意】こんな症状があれば劣化のサイン!
代表的な屋根の劣化症状は以下が挙げられます。このような症状が見られたら早めの対応が必要です。
チョーキング現象:屋根表面を手で触った際に白い粉状のものが付着する現象。塗料の防水成分が失われているサインです。
塗膜の剥がれ・ひび割れ:下地が露出すると防水効果がなくなります。即雨漏りにつながる可能性大。
赤茶色のサビ(金属屋根):進行するとボルトが細って緩み、止水機能も低下します。錆が広がると金属屋根に穴が開くリスクも。
屋根材の反り・浮き・ズレ:水分を吸い込んで乾燥と膨張を繰り返し、次第に変形。その隙間から雨水が侵入し雨漏りの原因に。
ボルトの劣化(折板屋根):防水キャップやシーリングが割れると、そこから雨水が染み込み錆びが発生。台風時に飛散する危険も。
とはいえ屋根は目視で確認するのが難しいので、工場・倉庫の屋根は3~5年ごとに専門業者に点検を依頼するのがベターですね。
工場・倉庫の屋根塗装で得られる3つのメリット
ここまでは「雨漏り」というリスク面のみに絞って解説してきましたが、工場・倉庫の屋根塗装で得られるメリットをご紹介していきます。
「塗装=メンテナンス」「利益にならない単なる出費」という固定観念を覆すような利点があるのでぜひ最後までご覧ください。
メリット①:雨漏り防止で建物寿命を延長できる
まず1つ目は、雨漏り防止による建物寿命の延長です。
そもそも、塗膜による防水性能というのは劣化していく過程で徐々に失われていくもので、いずれ完全に機能しなくなります。
そうなると屋根は保護膜のない”むき出し状態”になるため、1年もたたずに腐食を起こすことも少なくありません。塗膜は紫外線や酸性雨による劣化から下地を守るバリアになっているわけです。
特に工場・倉庫は屋根面積が広大ですから、塗装の適期を逃して屋根そのものの劣化が進行してしまうと塗装費用の2~3倍もの修繕費がかかるケースもありますので、劣化の頃合いを見て新しく均一な塗膜を形成することはとても重要なことなのです。
メリット②:遮熱効果で夏場の労働環境を改善
2つ目は、遮熱効果による労働環境の改善です。
近年、夏場の暑さは年々厳しくなっていますが、工場・倉庫はその構造上どうしても空調が効きづらいですよね。そんな現場にこそおすすめしたいのが遮熱塗料を使った屋根塗装なんです。
遮熱塗料とは、正式には「高日射反射率塗料」と呼ばれるもので太陽光中の赤外線エネルギーを反射する機能があり、塗装していない場合に比べて屋根表面温度を10~15℃程度低下させる効果があります。
特に工場や倉庫は天井空間が広く屋根も薄いという構造上、遮熱塗料の効果が住宅以上に発揮されやすい環境なので費用対効果という点でも効果的です。
メリット③:光熱費削減で長期的なコスト削減につながる
遮熱塗料で屋根の表面温度・室内温度を下げることは、夏場のエアコン料金の節約にもつながります。
というのもエアコンは設定温度を2~3℃上げるだけで15%前後の空調電力を削減できるとされているので、工場全体で夏場に月10万kWhの電力を冷房に使用している場合(電気代約25万円/月)、遮熱塗装で15%削減できれば月1.5万kWh(約3.75万円)の節約になります。夏季4ヶ月で約15万円、年間では20万円以上/年の光熱費カットが見込める計算です。
工場・倉庫の屋根に最適な機能性塗料とは?
ここまで屋根塗装のメリットをお伝えしてきましたが、「具体的にどんな塗料を選べばいいの?」と疑問に思われている方も多いのではないでしょうか。
工場・倉庫の屋根塗装では「どの塗料を選ぶか」が効果を大きく左右します。詳しく見ていきましょう。
1.「遮熱塗料」で夏場のエアコン代を節約
先にもご紹介しましたが、太陽光を反射して室温上昇を抑える遮熱塗料は屋根表面温度の上昇を大幅に抑え、夏場のエアコン代削減に直結します。
工場・倉庫のような広い空間では、その効果が特に大きく発揮されます。
JIS規格を取得した「エシカルプロクール」が注目
その中でも当社がおすすめしているのが、エシカルプロクールです。
エシカルプロクールはJIS規格を取得した実証済みの遮熱塗料で、国が定めた品質基準をクリアしています。要するに性能が公的に保証されているわけです。
実証データでは夏場の室温を2~3℃下げ、空調エネルギーが約10~35%削減されたという報告があります。
エシカルプロクールにはA、Si、Fの3つのシリーズがあり、それぞれ耐用年数が異なります。Siシリーズは耐久性とコストのバランスに優れ、Fシリーズは最も長寿命です。建物の用途や予算に応じて選択できます。
エシカルプロクールシーリズについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、こちらもあわせてご覧ください。
遮熱効果はお客様ご自身で実感していただけます!
エシカルプロクールは、簡易的な実験キットで表面温度の低下をお客様の手で体感することができる点が大きな利点です。
「効果を実感できる」という点は、社内で予算承認を得る際にも強力な説得材料となります。数値データだけでなく、実際に温度が下がることを体感できれば、投資の価値を理解してもらいやすくなります。
2.高耐久塗料で塗り替え頻度を下げるのも◎
また、「塗り替え頻度をできるだけ減らしたい」という場合は、高耐久塗料も選択肢として検討されることをおすすめします。
塗料の耐用年数は一般的に【アクリル<ウレタン<シリコン<フッ素<無機】とタイプによって変わります。
フッ素塗料や無機塗料は15~20年の耐久性があり、一般的なシリコン塗料の10~12年と比べると、塗り替え頻度が大幅に減ります。これは長期的なコスト削減につながりますし、足場設置費用や工事中の操業への影響も最小限に抑えられるわけです。
また高耐久塗料の多くはセルフクリーニング機能を持っており、雨水で汚れが落ちやすく、美観を長期間維持できるというメリットもあります。
機能性塗料の効果はどの程度?塗装にかかるコストとのバランスは?
ここまでお読みいただいて「遮熱塗料に興味はあるけど、高いんじゃないの?」「お金をかける価値は本当にあるの?」と疑問に思われている方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、塗装にかかるコストと効果のバランスについて、具体的な数値を交えてお答えします。
「高機能な塗料は高単価」は正しい
正直にお伝えすると、遮熱塗料や高耐久塗料は一般的なシリコン塗料よりも単価が高いのは事実です。
特殊な顔料や樹脂を配合しているため、どうしても原材料費は高くなってしまうからです。初期費用だけを見れば一般的な塗料の方が安く済むのは間違いありません。
しかし、長い目で見れば遮熱塗料は毎年の光熱費削減により中長期的には元を取れますし、高耐久塗料は塗り替え頻度が減ることで長期的なトータルコストを抑えられます。
エアコン代で年間20万円以上のコストカットに
では実際にどの程度効果があるのかという点ですが、以下のように試算できます。
遮熱塗料:光熱費が年間20万円以上削減できる
高耐久塗料:30年間で1回分の塗装工事を省略できる。
※建物規模によって変動あり
屋根塗装は単なる「費用」ではなくリターンが見込める「投資」と見ることもできますよね。
SDGs・ESG経営としても有効
さらに見逃せないのが、SDGs・ESG経営の観点です。
年間で40トン以上のCO2削減効果が見込める場合、これは企業のSDGs、ESG経営を意識する上で重要な取り組みとなります。
「当社は年間○○トンのCO2を削減しています」と具体的な数値で示せれば、環境報告書やCSR活動の実績としてアピールでき、取引先や金融機関からの評価向上につながります。
特にBtoB取引では、取引先の環境方針に合致することが契約条件になるケースもありますから、環境対策は単なるコストではなく「企業価値を高める投資」と言えるわけです。
失敗しない業者選びのポイントは?
ここまで工場・倉庫の屋根塗装のメリットやコストについてお伝えしてきましたが、実際に塗装を行う際には「どの業者に依頼するか」が何よりも重要になります。
失敗しない業者選びのために、以下の4つのポイントを押さえておきましょう。
業者選びのポイント
見積もりに対する説明があるか
金額が安すぎないか
工事の進捗写真はあるか
完了後の保証・アフターサービスがあるか
この中でも特に注意したいのが「金額」です。「安さ」だけで選んでしまうと品質に問題が出るリスクがあります。
近年は物価高の影響で塗料費・足場代が大幅に値上がりしており、2024年には足場組み立ても法改正があり、材料代・足場代ともに20~30%くらい値上がりしています。
このような状況で極端に安い金額を提示するには、高圧洗浄やケレン作業を簡略化したり、下塗り材を塗らずに中塗り・上塗りだけで済ませるなど、素人目に分かりにくい部分で手を抜くしかないわけです。
そんな悪徳業者に騙されないためにも、見積もりは隅々まで確認してご自身が納得いくまで説明を求めましょう。
まとめ:工場・倉庫の屋根塗装は長期的な価値を生む投資
ここまで工場・倉庫の屋根塗装について詳しく解説してきました。
改めてお伝えしたいのは、工場・倉庫の屋根塗装は単なる修繕ではなく、企業の長期的な資産価値を守る投資であるということです。
この記事のポイント
屋根劣化は外壁の約3倍早く、放置すると操業停止のリスクも
雨漏り防止により建物寿命を延長し、資産価値を維持できる
遮熱塗装で夏場の室温を2~3℃下げ、従業員の熱中症リスクを軽減
年間20万円以上の光熱費削減で、ROI約10年で投資回収が可能
JIS規格取得のエシカルプロクールなら、効果を実感できる
業者選びは「詳細な見積」「適正価格」「工程写真」「保証」が重要
工場・倉庫の塗装について幅広くお伝えしてきましたが、ここでなによりお伝えしたいのは屋根塗装の効果を最大化するには建物の状況に合わせた塗料選定と、確かな技術を持つ業者選びが欠かせないということです。
馬渕塗工は一級塗装技能士による完全自社施工で、高品質な施工をお約束します。
工場・倉庫の屋根塗装をご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。現地調査・お見積もりは無料です。
2026.07.01
「遮熱塗装」と「断熱塗装」の違いは?夏場の暑さ対策にはどっち?
夏の暑さ対策で屋根塗装を相談したら、業者から「遮熱塗料がおすすめです」と提案された。
でも、ネットで調べてみると「断熱塗装の方が年中使えてお得」という情報も出てくる。
『結局、どちらが正解なのか…?』となりますよね。
この記事では、遮熱と断熱の仕組みの違いから、あなたの家に合った選び方、予算別のプランまで詳しく解説します!
この記事でわかること
遮熱と断熱の仕組みの違い
夏と冬でどちらが効くか
費用と耐用年数の比較
屋根と外壁、どちらを優先すべきか
予算別のおすすめプラン
夏の暑さは「塗装」で解決!
遮熱は熱を入れない、断熱は熱を伝えにくくする仕組み
遮熱塗装と断熱塗装、名前は似ていますが仕組みが根本的に違います。
太陽光に含まれる赤外線を特殊な顔料で反射し、建物に熱を入れないようにする塗装。これが「遮熱塗装」です。
いわば「日傘」のような役割を果たします。
太陽光が当たっても熱を跳ね返してしまうので、屋根や壁の表面温度が上がりにくくなります。
一方の断熱塗装は、塗膜に含まれる中空セラミックビーズなどが熱の伝わりを遅くする塗装。
熱は入ってきますが、室内まで伝わるスピードを遅らせることで、室温の変化を緩やかにします。
つまり、遮熱は「熱を反射して入れない」、断熱は「熱を伝えにくくして逃がさない」という違いがあります。
夏の暑さ対策なら「遮熱塗装」がおすすめ
もし夏の暑さが最大の悩みなら、遮熱塗装で解決できます。
遮熱塗装は、夏の直射日光を反射して屋根表面温度の上昇を防ぐことに特化しています。
実際、専門業者の間でも「夏場の暑さ対策が目的なら遮熱塗料で十分」という見解が一般的。
冬の保温効果まで求める場合に、初めて断熱塗料が検討されます。
調査では『夏になると気になる家の悩み』の第2位が「室内が暑い」(37.6%)でした。
夏の暑さへのニーズが圧倒的に大きいため、塗装業者もまず遮熱塗料を提案するケースが多いのです。
一方、断熱塗料は熱の出入りをコントロールできるので、夏冬両方に効くというメリットがありますが、価格は遮熱より高めになる傾向があります。
屋根から入る熱が「約5割」だから屋根塗装が最優先
夏の暑さ対策を考えるなら、まず屋根からの対策が最優先です。理由は単純で、太陽熱の侵入経路の大部分が屋根だからです。
2階が暑いのは、屋根から熱が入ってくるから
「2階がサウナみたいに暑い」「エアコンをガンガン回しても涼しくならない」。
そんな経験はありませんか?
夏場、住宅内に侵入する熱の約50%は屋根から発生します。国土交通省のデータでも、屋根が50%、外壁が24%と報告されています。
窓以外の外皮から入る熱の大部分を、屋根と壁が占めているのです。
なぜ屋根がこれほど熱を吸収するのかというと、理由は、屋根が太陽からの直射日光を最も長時間受ける場所だから。
真夏には屋根表面温度が60〜80℃にも達することがあり、その熱が屋根裏から2階へ伝わり、室温を押し上げます。
2階が暑い原因は、ほとんどの場合、屋根から入ってくる熱なのです。
ちなみに、真夏の屋根裏温度は外気35℃でも70℃近くになることも。
十分な断熱がないと、2階天井付近の温度が大幅に上昇し、冷房効果が追いつかなくなるほどです。
だからこそ、暑さ対策は屋根が最優先です。屋根に遮熱塗装を施すだけで、2階の体感温度が大きく変わります。
遮熱塗料の性能を引き出すには、“正しい施工技術”が必要
ただし、遮熱塗料には1つ注意点があります。それが正しく施工しないと性能を発揮できないという点です。
塗りムラがあると所々で塗膜厚が不足し、遮熱性能にムラが生じて効果が出ない恐れがあります。
経験の浅い職人だと均一に塗るのが難しく、期待通りの性能を得られない場合もあります。
「遮熱塗料を塗ったのに効果がない」と感じるケースの多くは、実は施工方法が不適切だったことが原因なんです。
下地処理の不備や塗装間隔の不適切さなど、施工基準を守らないと期待以下の結果に終わります。
充分な膜厚と均一な塗布が何より大切なのです。
屋根だけ塗る?それとも外壁も?予算別の選び方
ここで費用を加味した「どこを優先すればいいの?」という疑問にお答えします。
予算が限られているなら、まず屋根から塗装する
結論から言うと、予算が限られる場合はまず屋根塗装を優先するのが良いです。
理由は前述の通り、夏の熱侵入の主要経路が屋根だからです。
屋根に遮熱塗装するだけでも、2階の体感温度が大きく下がります。外壁の遮熱効果は屋根ほど顕著ではなく、直射日光の当たり方や壁の断面積によって効果が分散します。
「全部は無理だけど暑さを和らげたい」という場合、屋根だけ遮熱塗装でも十分な効果が期待できるんです。
ただし、将来的なことを考えると注意点もあって、それが「足場費用」なんです。
塗装工事では安全のため足場を架設するのですが、この足場代が別途かかります。もしいずれ外壁も塗る予定があるなら、同時施工で足場代を一回にした方が経済的ですね。
一方、「今は暑さをなんとかしたい…」という場合には、無理に外壁までやらず屋根だけ施工し、外壁は後年に回すことを検討されても全然問題はありません。
ちなみに、外壁塗装の遮熱効果は屋根より限定的ですが、決して無意味ではありません。特に西日が強く当たる壁面に遮熱塗料を塗ると、室内温度の上昇をある程度抑えられます。
ただその効果は屋根+壁全体を遮熱した場合の数値なので、壁だけ塗っても劇的ではないことに留意しましょう。
まず屋根で大部分を対策し、さらに余裕があれば外壁も遮熱塗装する。
この段階的な取り組み方が賢い選択ですね。
まとめ:迷ったら「屋根に遮熱」から始めよう
今回は、遮熱塗装と断熱塗装の違いと、選び方をお伝えしました。
この記事のポイント
遮熱は熱を入れない、断熱は熱を伝えにくくする
夏の暑さが悩みなら遮熱で十分
屋根から入る熱が約5割だから屋根が最優先
遮熱は1㎡あたり約1,000円安い
夏対策なら遮熱の方が費用対効果が高い
屋根に遮熱塗装をするだけで、2階の室温が2〜3℃下がり、冷房費を20〜30%節約できます。
業者から遮熱を勧められたなら、それはあなたの悩みにぴったりの解決策です。
馬渕塗工では、契約前に「遮熱体験キット」で効果を体感できます。
年間30棟以上の施工実績があり、岐阜県で唯一のダイヤスーパーセランフレックス認定施工店として正しい施工技術で性能を引き出します。
しつこい営業は一切いたしません。
納得できなければ、遠慮なくお断りください。まずは、遮熱塗装の効果をあなた自身で確かめてみませんか?
2026.06.05
遮熱塗装とシートの違いは?どっちが正解?馬渕代表に本音でインタビュー!
こんにちは、馬渕塗工スタッフのTです。
工場や倉庫の暑さ対策として「塗装がいいのか、シートがいいのか」を比べる記事って、ネットにたくさんありますよね。でもその多くが塗装をさせたい or シートを売りたい業者側のページだったりします。
「塗装屋が書いた記事なら、どうせ塗装を勧めるんでしょ?」
と思うかもしれません。そこで今回は、建物の状態によっては「シートを選んだほうが合理的ですよ」という話も含めて、プロの目線から裏表なく正直にお伝えします。
実は今、工場の暑さ対策は「電気代がもったいない」というレベルだけでなく、「今すぐ動かないと、法的にもまずい」という状況になりつつあるんです。そのあたりの背景も含めて、代表の馬渕に直球でインタビューしてみました!
この記事でわかること
工場があれほど暑くなる理由と、エアコンが追いつかない構造上の問題
遮熱対策を先送りにしたときの年間損失コスト(電気代・作業効率・法的リスク)
遮熱塗装とシート、性能差は本当にあるのか(塗装業者が正直に答えます)
塗装かシートかを判断する基準(答えは「築年数」だけでいい)
今から施工を頼んで今年の夏に間に合うかの正直な答え
なぜエアコンをいくら増やしても追いつかないのか——「屋根の熱」の正体
T:毎年夏になると、工場の中が40℃近くになってエアコンが効かないという相談をよく聞きます。なぜこんなことが起きるんですか?
馬渕:屋根が太陽に直接焼かれているんですよ。夏の晴れた日に工場の金属屋根の表面温度を測ると「60℃〜70℃」近くに達することもあります。
外気温が35℃でも、屋根はそれよりも20〜30℃高い状態です。その熱が輻射(ふくしゃ)熱として室内にビシビシ伝わり続けます。
輻射熱というのはイメージでいくと「寒い日に焚き火をしても、火の前に立つと顔が熱くなる」あれと同じ原理です。特に建物は空気を介さず物体に直接伝わりますから、エアコンで空気を冷やしても暑さは伝わってきちゃうんです。
70℃! それはすごいですね……。だからエアコンをいくら強くしても、追いつかないわけですか?
馬渕:そうですそうです。実は、建物に入ってくる熱の約75%がこの輻射熱だと言われてます。
エアコンは空気を冷やす機械なので、空気を介した熱には効きます。でも屋根や外壁からの輻射熱には直接届かないんです。
だから天井が高い工場では、上の方は灼熱・下の方は多少マシという状態が起きるんですよ。エアコンの台数を増やしても改善しないという声の多くは、実はこれが原因なんですね。
「空気を冷やしても、屋根の熱は届き続ける」ということなんですね。
“エアコンを増やす”だけでは根本解決にはならないんですね。
馬渕:そうなんですよ。屋根、もっというと外壁が受ける熱を何とかしない限り、エアコンは暑さを相殺するだけで精一杯になります。
だから遮熱対策が根本的な解決策になるわけです。
ちなみに夜になっても工場がサウナみたいに暑いままで、なかなか冷えないという話も聞きますよね。あれも同じで、昼間に建物が蓄積した熱が夜になっても放射し続けているからです。夕方になって「外は涼しいはずなのに…」というのもそういう理由なんですよ。
「何もしない夏」は毎年いくら払っているか
「遮熱対策をしない」という選択にも、実はコストがかかっています。電気代として目に見えるものもあれば、生産効率や人的リスクとして見えにくいものも含めると、かなりの金額になります。
いわゆる「放置コスト」の話ですが、これが経営者の方には意外と知られていないんです。
T:遮熱対策をしない場合、毎年どのくらいのコストがかかっているんでしょう?
馬渕:電気代だけでも、かなりの金額になりますよ。延床1,000㎡クラスの工場・倉庫なら、夏の冷房コストが年間で数百万円規模になることも珍しくないです。
遮熱対策をすれば空調費が約10〜20%削減できますから、屋根面積1,000㎡規模で「年間100〜200万円」の電気代削減が期待できます。
年間200万円! 工事費用を考えても、数年で元が取れますよね?
馬渕:投資回収は一般的に3〜5年ですかね。24時間稼働の食品工場では2年未満で回収できたケースもあります。
施工は1回ですが、放置は毎年コストが出ていきます。そこだけとっても大きな差がありますかね。施工は1回ですが、放置は毎年コストが出ていきます。そこだけとっても、大きな差があります。
電気代以外にもコストはありますか?
馬渕:見落としがちなのが“作業効率のロス”なんですよ。夏の暑い工場だと集中力も落ちるし、欠勤・早退も増えます。体調不良から作業ミスも出やすくなります。
熱中症が1件出ると、代替人件費・残業代だけで1人あたり1日2〜3万円。生産ライン離脱の損失も合わせると、数万〜数十万円規模になります。
選択肢に上がる「遮熱塗装 or 遮熱シート」はどっちが正解?
コストの差がはっきりしたところで、次に来る疑問は「じゃあ塗装とシート、どちらを選べばいいのか」ですよね。
インターネットで「遮熱塗装 vs シート」と調べると、シート優位の記事が並びます。でも実際のところはどうなのか。塗装業者に直接聞いてみました!
T:ずばり聞きますが、遮熱塗装とシート、性能はどちらが上ですか?
馬渕:正直に言うと、大きな差はないですよ。
数字だけ見ると、シートは室内に向かう輻射熱を94〜99%カットしていて、塗装は太陽光を80%程度反射している。でもこの2つ、そもそも測っているものが違うんですよ。
シートは「屋根を通り抜けてきた熱」、塗装は「屋根に当たる前の太陽光」。それぞれ測っている対象が違うので、数字を並べても優劣はつけられないんです。
意外ですね、社長なら「塗装で!」と言うと思いました(笑)
馬渕:正しい知識を持って、建物に合う方をしっかり選んで欲しいので。
どちらもちゃんとした施工をすれば効きます。遮熱塗装で屋根表面温度が16〜20℃低下し、室内温度が2〜8℃下がったケースも、シートで室温が5〜9℃低下したケースも両方あります。
塗装業者として正直に聞きますが、遮熱塗装にデメリットはありますか?
馬渕:強いて言うなら『職人の技術によって、品質にムラが出ること』ですかね。
塗膜が経年で汚れてくると遮熱効果が落ちることもある。低汚染性の塗料を選べば長持ちしやすくなりますが、そこも含めて施工品質を管理するのは私たち“職人”の仕事です。
ーー塗装業者でありながらデメリットも言ってしまうんですね(笑)
馬渕:それを言えない業者に頼んではいけないと思っていますよ。どちらも正しく施工すれば効きます。
でも施工品質の差は5〜10年後に出てくる仕事なので、選ぶ基準として「正直に話してくれるか」は大事だと思っています。
塗装かシートか…どう決めればいい?
「性能に大きな差はない」とわかったら、次の問いは「結局どっちにすべき?」です。
T:性能に大差ないとなると、何を基準に選べばいいんですか?
馬渕:一番わかりやすくて失敗しない基準は、建物の築年数、つまり「屋根の塗り替えのタイミング」です。これだけで決めていいと思います。
①築5年以上なら「塗装」を推奨
工場の金属屋根は、だいたい5〜10年を過ぎるとサビが出たり、触れると手に白い粉がついたり(チョーキング現象)して、遮熱の有無にかかわらず塗り替えが必要になります。
どうせ足場を組んで屋根を塗り替えるなら、その時に使う塗料を遮熱機能つきにすればいい、というのがいい選択ですかね。
それから遮熱塗装は屋根だけじゃなく、外壁に塗装することも可能ですから、建物全体で遮熱することや「修繕」という意味でも効果を発揮しますね。
② まだ屋根が新しいなら「遮熱シート」を推奨
逆にまだ建てて数年で屋根がきれいな状態なら、暑さ対策のためだけにわざわざ足場を組んで塗装するのはむしろもったいないですかね。
その場合は、建物の内側や天井裏に張れる遮熱シートもありますから、そちらのほうが無駄なコストがかからなくて合理的ですね。
屋根表面にアルミホイルのようなシートを貼る(太陽光を反射させるタイプ)のシートもありますから、その辺りはぜひ遮熱シート業者のサイトも参考にしてみるといいと思いますよ。
なるほど! 塗装屋さんだからって何でも塗装を勧めるわけじゃなく、建物の寿命に合わせるのが一番おトクなんですね。
馬渕:そうですね。屋根の塗り替え時期は一般的に5〜10年おきに来るので、その際に遮熱塗装を選べばいいんです。耐久性の高い遮熱塗料であれば期待耐用年数が15〜18年のものもありますから、一度施工すればかなり長く効きます。
ぶっちゃけ、今から頼んで今年の夏に間に合いますか?
ここまで読んで「うちも動こう」と思った方に向けて社長に伺いました。
T:6月(インタビュー現在)の今依頼して「今年の夏」に間に合います?
馬渕:正直言うと、今年の夏に間に合わせるのは難しいですかね…。
理由が3つありまして、まず施工スケジュールの問題ですね。
今は問い合わせが集中する時期なので、見積もりから着工まで数ヶ月待ちが当たり前になっています。大型の工場・倉庫は段取りだけで1〜2ヶ月かかります。去年も岐阜市のお客様が8ヶ月待ってくださいましたが、やはりお待ちいただく必要があります。
あまり他社批判はしませんが「今すぐできますよ!」という業者は、それだけ仕事が少ないか、無理やり下請け、孫請を依頼するケースが多いので、その分塗装の質が落ちてしまう可能性は上がるかと思います。
「そういう業者が一概に悪い」というわけではなく、丁寧な施工をしようと思うと、その分お待ちいただく期間も増えますから。職人の世界ってそういうものなんですよ。(笑)
なるほど。他の理由はなんですか?
馬渕:梅雨の問題もあります。東海地方は6月〜7月上旬が梅雨で、塗料は湿度85%以上・雨天時は施工できないんです。2026年は例年より梅雨入りが早い状況で、梅雨中は工事が止まります。
そして3つ目が、材料の調達の問題です。今年は塗料の原料が世界的に不足していて、手配に時間がかかる状況が続いています。
それは“ナフサショック”の影響ですか?
馬渕:そうなんです。石油化学製品の供給不安が塗料の原料にも影響していて、私たち塗装業者も材料の入手に苦労しています。業界全体が厳しい状況で、詳しくはこちらの記事に書きました。
「今すぐ安く夏までに仕上げます!」という業者がいたら、飛びつきたくなりますが……。
馬渕:そこは正直、気をつけてほしいんですよ。
材料が不足している中で急ぎ施工を受けようとする業者は、品質管理が甘くなるリスクがあります。
塗装は気温・湿度・乾燥時間の管理がすごく重要で、夏の高温多湿の中で急いでやると、塗装が剥がれやすくなったり耐久性が落ちることがあります。
安さや速さだけで選んで5年後に剥がれてきても、そのとき対処するのは施主側になってしまいますから。
それは怖いですね。では今読んでいる方は、どう動けばいいですか?
馬渕:今年の夏はそのまま乗り切りながら、冬以降の施工を今から計画するのが現実的だと思います。
冬まで待つとして、今から動いておく意味はありますか?
馬渕:ありますね。今から相談を始めれば来年の夏前にしっかり準備が整いますし、早めに動くほど業者選びの選択肢も広がります。ただ待つより、今から計画を立てておくほうが費用も品質も守れると思っています。
ただし“真冬”については夜露(よつゆ)による水分が発生するので、梅雨時と一緒で天候的に屋根塗装が難しくなる場合もあります。「待つ」という点については、この辺りもしっかり説明してくれる業者を選定するといいですね。
まとめ:遮熱塗装かシートか、迷ったら築年数で決めていい
遮熱塗装とシートの選択に迷ったら、判断基準は「建物の築年数」だけです。
塗装業者が正直に比較した結論として言えば、どちらを選んでも性能差は大きくありません。
この記事のポイント
工場の暑さの主因は輻射熱。エアコン増設では根本解決にならない
対策先送りの損失は電気代・生産効率・熱中症リスク・法的リスクの4方向
塗装もシートも性能差は大きくない。判断は築年数で決まる
築10年前後ならば遮熱塗装、新しい建物ならシートが合理的
今年夏の施工は困難。冬以降を今から計画するのが現実的な動き
ここまで読んで、だいたいの方向性はつかめてきたのではないでしょうか。
塗り替えのサインが出ている建物(築10年前後以上)なら、遮熱塗装がもっとも効率的です。塗り替えコストに遮熱機能を上乗せするだけで、足場を一度で使い切れます。
まだ新しければシートで先行しましょう。判断材料はそれだけです。馬渕塗工は、岐阜市を中心に工場・倉庫の屋根塗装を行っています。
「うちの工場の屋根、そろそろ塗り替え時かな?」「来年に向けて、冬頃に工事をするとしたらいくら位かかるのかな?」という疑問があれば、いつでもお気軽にご相談ください。
現地にお伺いしての屋根のチェックや、お見積もりは無料で対応いたします。これからの法改正時代に向けて、損をしない暑さ対策の計画を、今から一緒に始めていきましょう!
2024.07.02
【AI回答より分かる!】瓦の滑落・落下は危険サイン!屋根劣化の兆候と対処方法を解説!
瓦が滑落・落下してしまうのは、屋根にとって深刻な問題です。
このような事態が発生した場合、多くの方が不安を感じると思います。ここでは、瓦の滑落・落下が起きた際の状況把握や対処法について解説します。
滑落はなぜ起こる?屋根の状態を示すサイン
ケース1:経年劣化で瓦が滑りやすくなっている
瓦屋根の最大の敵は経年劣化です。滑落が起こる大きな要因のひとつも「経年劣化」です。
たとえば「漆喰の劣化」や「釘浮き」など瓦を固定している箇所が経年により緩んだり、錆びたりすることで、瓦の固定力が低下してしまいます。
特にセメント系の瓦(モニエル瓦など)は、長年の使用で表面のスラリー層が劣化し、瓦自体が脆くなることがあります。
ケース2:自然災害で瓦そのものが脆くなる
地震や台風やなどの自然災害により、棟部(屋根の頂点部分)が倒壊したり、個々の瓦がずれてしまっている可能性があります。
またケースとしては稀ですが、雹(ひょう)や落雷などの直接的な衝撃によって、瓦が破損することがあります。
瓦が滑落・落下してしまった場合の対処法
1. まずは安全を確認する
まず最初に、落下した瓦による怪我や被害がないか確認しましょう。
瓦が地面に落ちている場合は、周囲の安全に十分注意してください。また、屋根の状態を地上から観察し、さらなる落下の危険がないか確認します。
2. 応急処置を行う
雨漏りを防ぐため、応急的な処置が必要です。ブルーシートなどで損傷部分を覆い、一時的に雨水の侵入を防ぎましょう。ただし、屋根に上るのは危険ですので、専門家に依頼することをお勧めします。
3.塗装業者などの“ 専門家”に連絡する
瓦の修理や交換は専門的な知識と技術が必要です。信頼できる屋根工事業者に連絡を取り、できるだけ早く点検と修理を依頼しましょう。業者は被害の程度を評価し、適切な修理方法を提案してくれるはずです。
4. 原因を特定し、予防策を講じるのも大切!
瓦の滑落や落下の原因を特定することが重要です。強風や雨、経年劣化、不適切な施工など、様々な要因が考えられます。原因が分かれば、今後同様の問題が起きないよう予防策を講じることができます。
【ポイント】火災保険が適用されないか確認する!
家屋保険で瓦の修理や交換がカバーされる可能性があります。保険会社に連絡を取り、補償の範囲を確認しましょう。ただし、小規模な修理の場合は、保険を使わずに自己負担で対応した方が長期的には保険料の上昇を抑えられる可能性もあります。
瓦の落下は“屋根そのものの劣化”サイン!
本記事でも解説したように、瓦の落下はそもそも危険なのはもちろんですが、「瓦一枚がたまたま飛んで行った」というケースは少なく、屋根や瓦全体が劣化してしまっていることによる場合がほとんどです。
当然滑落を防ぐことも大切ですが、劣化によって雨漏りなどの二次災害に気づくためのサインでもありますので、屋根材の滑落が起こったら、まずは屋根点検を行うようにしましょう。
当社では職人歴【20年以上】の経験と知識をもとに、屋根の劣化状況を診断・補修いたします。
また劣化の相談をすると「軽微なものでも営業をされそう…」と思われるかもしれませんが、私たち馬渕塗工では、お客様のご自宅を丁寧に診断し、「やるべきならやる、やらなくてもよければ”経過見でOK”」としっかりお伝えしておりますので、ご安心ください。
放置し続けて手遅れになってしまわぬよう、ご自宅の屋根メンテナンスならお気軽にご相談ください!
2024.07.02
【AI回答より分かる!】屋根の劣化症状からメンテナンス時期まで徹底解説!
屋根の劣化は目に見えない分見過ごされやすいですが、時間の経過とともに適切なメンテナンスを怠ると深刻な問題につながる可能性があります。ここでは、代表的な屋根の劣化症状とその原因について解説します。
屋根は家全体を守る重要な役割を果たしているため、状態には注意を払う必要があります。
知っておきたい5つの屋根劣化サイン!
1.屋根材のずれ・浮き
特にスレート屋根や金属屋根において、屋根材が本来の位置からずれたり、浮き上がったりしている状態は劣化のサインです。
経年劣化と気象条件が主な原因と考えられており、長年の雨風や温度変化により、屋根材自体が劣化して変形したり、屋根材を固定している釘やビスが緩むことで発生します。また、地震や強風などの突発的な外力によっても引き起こされることがあります。
2.塗装の劣化
屋根の塗装が色あせたり、はがれたり、ひび割れたり、表面がチョーキングする症状がみられる場合は塗装が劣化していると言えます。
主に紫外線や熱、水が原因です。太陽光に含まれる紫外線が塗料の樹脂を破壊し、熱による膨張収縮や雨水の影響で塗膜が劣化していきます。また、大気中の酸素による酸化も劣化を促進させていると考えられています。
屋根の塗装は塗料によって耐用年数が設定されているため、それに応じたメンテナンスが求められます。
3.瓦の滑落・落下
屋根瓦の一部が元の位置からずれたり、完全に落下したりしている状態です。
瓦屋根は本来、メンテナンスの必要がほとんどないとされていますが、長年の雨風にさらされて下地材や漆喰が劣化し、瓦を固定する力が弱まった状態で、地震や強風などの大きな力が働くことで引き起こされていると考えられています。
4.棟板金の劣化
症状として屋根の頂部にある棟板金の固定力が低下して浮き上がったり、変形したり、錆びたりしている状態が見られます。
主な原因は気象条件と経年劣化とされており、長年の温度変化や振動によって棟板金を固定する釘やビスが緩んだり、雨水の侵入や結露によって下地の木材が腐食していることが考えられています。
5.雨漏り
室内の天井や壁にシミやふくらみが現れたり、雨水が室内に侵入する状態を指す「雨漏り」ですが、これは前述の劣化症状が進行した結果として発生するトラブルです。建物の劣化によって雨水が屋根や外壁から内部に侵入し、最終的に室内まで到達することで雨漏りが起こります。
ここまで進行している場合、防水層(ルーフィング)も劣化している恐れがありますので、原因となっている箇所を正確に見極め、慎重に修繕工事を行うことが求められます。
【危険度別】今すぐやるべき劣化はどれ?
屋根の劣化症状は時間の経過とともに進行するため、放置しているといずれ住宅の構造体にまで悪影響を及ぼす可能性があります。以下では5つの劣化症状を修繕の緊急度別にご紹介します。深刻な劣化症状を見極め、効果的な修繕計画を立てましょう。
優先度「高」:屋根としての機能を失っているケース
①:雨漏り
雨漏りは屋根の劣化が進行した結果として現れる最も深刻な症状の一つです。建物内部に水が浸入すると、建物内部の損傷・構造体の劣化・電気系統への影響など、様々な二次被害を引き起こすリスクが極めて高くなります。雨漏りが確認された場合は、即座に専門家に相談し、原因の特定と修理を行う必要があります。
②:瓦の滑落
瓦の滑落は安全性の観点からも非常に危険な状態です。落下した瓦を放置しておくと重大な事故につながる恐れがあります。また、瓦が欠けた箇所から雨水が浸入する可能性も高まり、カビの発生や雨漏りといったトラブルにつながるため、早期の撤去と修繕が必要です。
③:屋根材のずれ・浮き
屋根材のずれや浮きは、雨漏りの直接的な原因となる劣化症状です。前述のとおり、雨漏りは進行すると建物全体の寿命にも影響しかねない深刻なトラブルですので、これを防ぐためにも早急に修繕しなければなりません。
優先度「中」:経年劣化が見られるケース
①:塗装の劣化
長期的には屋根材の耐久性にも影響がある症状ですが、即座に雨漏りなどの深刻な問題につながる可能性は低いため、ほかの劣化症状と比べると優先度は低くなります。ただし、放置すると屋根材の劣化が加速し、さらなる症状に繋がりますのでメンテナンスの検討が必要になります。
②:棟板金の劣化
棟板金の劣化は屋根の防水性能に影響を与える可能性がありますが、塗装の劣化と同様に、深刻な問題ではありません。ただし防水層(ルーフィング)の劣化が進行すると雨漏りのリスクが高まるため、必要に応じて交換することを検討してください。
屋根材ごとの「メンテナンス目安時期」ってどれくらい?
ここまで屋根の劣化症状について解説してきましたが、屋根というのは、常に外気にさらされている部分ですから、経年劣化は避けられないものです。以下では、メンテナンスを計画するべき時期について屋根材別に解説します。前述の劣化症状が見られる前に対策して、住まいを守りましょう。
粘土瓦:15〜30年
50-100年というの圧倒的な耐用年数を誇る瓦屋根は基本的に問題がなければメンテナンスの必要がないとされていますが、前述した劣化症状の一つである「瓦の滑落」を防ぐメンテナンスとして漆喰の補修が効果的です。漆喰は約20年で劣化するため、これに合わせて計画することをおすすめします。
トタン屋根:5〜15年
金属屋根の中でも特に錆びやすいトタン屋根はこまめなメンテナンスが必要です。
錆を防ぐための塗装はもちろん、コーキングにも注意が必要になります。劣化症状が進行してしまうと全面的な葺き替え工事の必要があるため、最低でも15年単位で屋根の状態の確認が必要になります。
スレート屋根:10〜15年
軽量で施工しやすいと人気のスレート屋根ですが、経年劣化には注意が必要です。
メンテナンス内容としては10年前後の再塗装が一般的ですが、20年ほどで下地のルーフィングが劣化してしまうため、塗装は2-3回が限度とされています。いずれ全面的な葺き替えが必要になる屋根材ですから、劣化症状が気になる方は一度専門業者に相談することを検討してください。
ガルバリウム鋼板:5年
金属屋根の中では耐久性に優れているガルバリウム鋼板ですが、色褪せや塗膜の劣化、傷や錆びなどの劣化症状が見つかり次第、部分的な補修を行うだけでも耐用年数以上の長寿命化が期待できます。
劣化サインは専門家に相談を
いかがでしたか?前述のとおり、常に外気にさらされている屋根には経年劣化が避けられないものです。とはいえご自身での目視が難しい場所でもありますから、専門家に点検・診断を依頼することをおすすめします。
大規模な修理や突然の雨漏りを防ぐためにも早めの対応を心がけましょう。
2024.07.02
【AI回答より分かる!】「屋根が浮いている」と言われたら?知っておきたい棟板金が招く屋根トラブル
訪問営業に突然「屋根の板金が浮いている」「釘抜けが起きてるかも」「今すぐに修繕しないと雨漏りする」などと言われて不安...とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
結論、屋根の浮きは地上から目視で判断することは極めて難しく、こうした営業は悪徳業者である可能性が高いと言えます。とはいえ、もしも棟板金の浮きや釘抜けが実際に起きている場合は深刻な状況と言えます。
本記事では棟板金の浮き・釘抜けについて詳しく解説していきます。
「屋根が浮いている」ってどういう状態?
棟板金と屋根材の間に隙間ができる劣化症状をいいます。実際に地上から黙視することは難しいですが、強風時にバタバタと音がしたり、雨漏りが発生するなどがきっかけで発覚することが一般的です。
主な原因は経年劣化とされており、強風や雨などで錆びてしまった釘が抜けてしまったり、下地の木材が腐食してしまうことで屋根材と棟板金との固定力が低下することで発生します。積雪地域では雪の重みによって棟板金に負荷がかかるのも浮きの原因になることもあります。
棟板金とは?
屋根の最も高い部分である棟(むね)に設置される金属製の板金部材を棟板金と呼びます。下地となる貫板と呼ばれる木材や樹脂製の部材に釘やビスで固定される構造になっており、スレート屋根や金属屋根の屋根材同士の接合部分(頂点)を覆っています。
棟板金には「雨水の侵入防止」と「屋根材の固定」の大きく2つの役割を担っています。強風や地震に耐えうる強度を保ちながら、雨漏りや屋根下地の腐食の防止を実現しているのです。
浮いた棟板金が引き起こすトラブル5選
棟板金の浮きは一見すると軽微な問題に思えるかもしれませんが、この状態を長期間放置することで建物全体に深刻なトラブルが発生するケースがあります。以下では棟板金の劣化症状が進行することで発生する可能性があるトラブルについて解説していきます。
1.断熱性能の低下
第一に、屋根に隙間が生まれることで建物全体の密閉性が損なわれ、外気が屋根裏に侵入しやすくなります。夏場は暑い外気が入り込み、冬場には暖かい空気が逃げやすくなるため、断熱性能が低下し、冷暖房効率の悪化が考えられます。
2.屋根下地の腐食
棟板金が浮くことで雨水や湿気が屋根内部に侵入する経路を作り出します。この侵入した水分が屋根の木材下地に直接触れることにより、腐食が進行するリスクが高まります。これは目に見えない状態で進行していくため、気が付いた時にはすでに深刻な問題になっていることも少なくありません。腐食した木材の修復は難しく、最悪の場合建物全体の大規模な改修工事が必要になる可能性もあります。
3.カビやシロアリの発生
湿気の多い環境はカビやシロアリが好む環境です。継続的に湿気にさらされることで急速に繁殖が進み、その影響は室内にまで広がります。アレルギー反応や呼吸器系の問題を引き起こす原因にもなる可能性が高いです。カビやシロアリの駆除には専門的な処置が必要になるだけでなく、一度発生すると完全な除去は難しいとされるため、根本的な解決のためには多額の費用が掛かることは間違いないでしょう。
4.雨漏りの発生
ここまで症状が進行しているとルーフィング(防水機能)が大きく低下します。特に強い雨や台風の際、雨水が屋根内部に侵入しやすくなります。初期段階では天井や壁に小さなシミが現れる程度かもしれませんが、放置すると被害は急速に拡大します。建物内部の構造や電気系統にまで悪影響を及ぼすリスクを高め、建物全体の寿命を著しく縮め、最終的には大規模な改修工事や建て替えが必要になる可能性があります。
5.強風による二次被害
浮いてしまった棟板金は強風で飛散しやすく、周辺の屋根材を損傷させるだけでなく、台風などによって周辺の屋根材も損傷を受けたり、最悪の場合は人身事故につながるリスクもあります。さらに飛散後には屋根の頂部が完全に露出した状態になり、前述の問題が一気に悪化する恐れがあります。
症状の進行度別にみる修繕方法
1.釘・ビスの打ち直し
症状が軽度の場合は新しい釘やビスで再固定します。必要に応じてコーキング(シーリング材)も打ち直すことで防水性を高めることができます。
2.棟板金の交換
症状が重度の場合や、棟板金自体が損傷している場合は棟板金の交換が必要になります。既存の棟板金を取り外し、新しい棟板金を設置します。固定には釘よりも耐久性の高いビスを使用し、さらにコーキングで補強することでより長期的な耐久性が期待できるでしょう。
3.貫板(ぬきいた)から交換
棟板金の下にある貫板が腐朽している場合は、貫板から交換する必要があります。この方法は最も大掛かりで屋根材を一部はがして作業を行います。貫板交換の際は古い釘穴をしっかりとシールして雨漏りを防ぐことが重要です。
ここまで代表的な修繕内容をご紹介しましたが、劣化状況によって施工内容は異なります。進行の度合いによっては棟板金以外の箇所にも影響が及んでいる可能性もあるため、具体的な修繕方法は専門業者による詳細な診断を受けることが第一となります。
修繕の費用相場
修繕方法の費用相場としては以下のようになります。
釘やビスの打ち直し:2万円-8万円
棟板金の交換工事:1mあたり3,000円-5,000円
貫板交換工事:1mあたり3,500円-5,000円
なお、足場の設置が必要になる場合や、オプションに錆止め塗装を含める場合は別途加算され、総額で30万前後になるケースもあります。修繕方法が複雑になるほど費用は高額になる傾向にあります。
棟板金の定期メンテナンスは住まいを守るカギ
い一見小さな問題に思えても、家全体に深刻な影響を及ぼすリスクが高い劣化症状が「棟板金の浮き」なのです。とはいえ、屋根は目視で点検するには難しい場所であるがゆえに早期発見がなかなか難しいため、屋根の耐用年数に応じたメンテナンスを実施することが求められます。
当社では職人による丁寧な点検を通して修繕のご提案しております。屋根の状態に不安がある方はまずはお気軽にご相談ください。お住まいの屋根の状態に不安がある方まずはお気軽にご相談ください。