2024.02.29
三種ケレンとアレスダイナミックプライマーで鉄部に下塗りをしました
まず「三種ケレン」というプロセスを用いて鉄部を下準備します。三種ケレンは、鉄部表面の錆や旧塗膜を適度に除去し、鋼面を露出させる作業です。この方法は、特に保護膜として機能している旧塗膜(活膜)を残す点で特徴があります。この活膜は、新しい塗料の付着を助ける重要な役割を担います。
下準備の後、鉄部に「アレスダイナミックプライマー」という下塗り材を塗布します。このプライマーは、亜鉛めっきやガルバリウム鋼板、アルミ、ステンレスなど、通常塗料が付着しにくい素材にも優れた付着性を示す最高級の防錆プライマーです。この塗料の使用により、鉄部は長期間にわたり錆や劣化から保護されます。
特に、庇(ひさし)や唐草(屋根の水切り部分)などの細部にも、この下塗りを丁寧に施工します。これらの部位は、水の侵入や集積により錆びやすいため、特に注意を払って処理されます。
鉄部塗装のこの段階での下塗りは非常に重要です。水性系の外壁塗料が鉄部に付着しても、適切な下塗りがされていないと塗料は密着せず、結果として鉄部の保護が不十分となります。しかし、このアレスダイナミックプライマーを使用することで、その後の塗料がしっかりと密着し、鉄部の保護を確実に行うことができます。
この作業では、施工の順序も重要です。適切な順序で施工を行わなければ、望ましい結果を得ることはできません。したがって、鉄部の下塗りは、外壁塗装工事における重要なステップの一つであり、専門知識と正確な施工技術が求められます。
2024.02.29
オートンイクシードを使用してシーリング工事を施工しておりました
オートンイクシードを使用し、数日間かけてシーリング工事を行いました。
まず、シーリング工事には「オートンイクシード」という特別な材料を使用しました。これは、耐久性と耐候性を大幅に向上させる特殊なポリマー、「LSポリマー」を含む先進のシーリング材です。この材料を使うことで、建物の外壁が長期間にわたり保護され、天候や時間の経過による損傷から守られます。
外壁は「リシン」という特殊な表面加工が施されているため、通常のマスキングテープがうまく貼り付かないという課題がありました。リシンは、モルタル外壁に細かい砂や石を混ぜた材料を吹き付けて作られ、表面をざらつかせる仕上げ材です。このざらついた表面は見た目にも独特で、比較的安価に新築住宅の外観を美しく仕上げるためによく使用されます。
この課題に対処するため、「風神ローラー」という特殊なローラーを用いました。
このローラーを使って、マスキングテープを外壁にしっかりと密着させ、作業のたびに丁寧に圧着していきました。これにより、塗装作業中の精度が大幅に向上し、外壁への塗装が均一に施されました。
最終的に、シーリング材を均一に打設し、整えることで作業は完成しました。
「シーリング工事の重要性」については、下記記事でも詳しく解説しています。
関連記事:『【プロが解説!】シーリング工事って何?気密・防水性を高める外壁工事を解説!』
2024.02.23
オートンイクシードを使用してシーリング施工をしました
プライマー施工後シーリングを目地底から充填し空気が入らないように打設して均して完成致しました。
窓枠などのシーリング打設後に直角になっていると窓枠が真四角な事もあり、かっこよく見えます。
2024.02.19
コロニアル屋根って何?特徴や耐用年数、メンテナンス(塗装・塗り替え)方法まで解説!
コロニアル屋根とは?
コロニアル屋根は、ケイミュー株式会社(クボタとパナソニックの合弁会社)が提供する戸建て住宅専用のスレート材の商品名です。
この屋根材は、セメントと繊維質を混合し、薄板状に加工されます。一般的には「スレート屋根」やその他の名前(カラーベスト、平板スレートなど)でも呼ばれていますが、「コロニアル」の名前で広く認知されています。
耐用年数は約20~25年と長く、その軽量性から耐震性の向上にもすぐれています。特に1995年の阪神淡路大震災後に耐震性の高さから普及しましたが、初期の製品には現在使用が禁止されているアスベストが含まれていたこともあります。2004年以降はノンアスベストの製品が製造され、広く使用されるようになりました。
コロニアル屋根材の種類・特徴
コロニアル屋根材は、その進化により三世代に分かれます。
アスベストを含む第一世代の「ニューコロニアル」、アスベスト規制後に登場したノンアスベストの第二世代「コロニアルNEO」、そして最新の第三世代「コロニアルクァッド」です。
ニューコロニアルは耐久性が高く、築30年以上経っても屋根機能が維持されることが多いですが、健康被害の問題から現在は製造が禁止されています。一方、コロニアルNEOは劣化が早く、特にひび割れや欠けが目立ちやすいという問題があります。そして最新のコロニアルクァッドは、耐候性に優れたアクリルコートを使用し、カラーバリエーションの豊富さで人気を博しています。
それぞれの世代は、リフォーム市場でのニーズに応える形で進化し、特に最新のコロニアルクァッドはデザイン性と実用性のバランスが評価されています。リフォーム市場では、アスベスト問題を乗り越え、強度やメンテナンス性に焦点を当てた改良が施されているのです。
コロニアル屋根の耐用年数は?
コロニアル屋根の耐用年数は世代によって異なりまが、一般的には20年〜25年程度とされており、これはトタン屋根の10年〜20年よりも長く、ガルバリウム鋼板屋根の30年と比較するとやや短いといった立ち位置ですね。
コロニアル屋根の寿命を延ばすためには、10〜15年ごとの塗装や25年ごろに行うカバー工法や葺き替えが効果的です。第二世代のコロニアルNEOは特にメンテナンスが難しく、定期的な点検と早めの対応が重要でしょう。
第三世代にあたるコロニアルクァッドは、5年から10年ごとの点検を通じて、劣化を未然に防ぎ、さらに寿命を延ばすことが可能です。
コロニアル屋根の劣化具合はどう診断する?
コロニアル屋根は、その耐久性と軽量性から多くの住宅で採用されていますが、時間の経過とともに様々な劣化症状やトラブルが生じることがあります。
主な劣化症状には、紫外線や雨風による色褪せ、カビやコケの発生、ひび割れ、そして棟板金の浮きや釘抜けが挙げられます。これらの症状は、屋根の機能性や美観を損ねるだけでなく、放置すると雨漏りや屋根材の脱落に繋がり、大規模な修理が必要になる場合もあります。特に、アスベストを含む旧型のコロニアルでは、リフォーム時の健康リスクや高額な費用が発生する可能性があります。
塗装による美観の向上や防水性能の回復が可能ですが、カビやコケの増加は、屋根材が水分を吸収しやすくなり、寿命を短縮します。このため、定期的な点検と適切なメンテナンスが劣化を防ぎ、屋根の寿命を延ばす鍵となるのです。
コロニアル屋根の補修・メンテナンス方法
コロニアル屋根のメンテナンスには、一般的には屋根塗装を行います。また劣化が進んでいる場合には、塗装ではなく「カバー工法」や「葺き替え工事」などのメンテナンスを行います。
これらの工法は、屋根材の劣化や破損に対処するためのもので、「塗装」に比べてより根本的な修復を可能にします。メンテナンスの実施時期は、約10年ごとに屋根塗装を行い、築25〜30年で「カバー工法」か「葺き替え工事」を検討することが推奨されています。これにより、コロニアル屋根の寿命を延ばし、住宅の機能性と美観を保持することが可能です。
当社では、職人歴【20年以上】の経験と知識をもとに、ご自宅の屋根の劣化状況をご報告します。
相談をすると「軽微なものでも塗装営業をされそう…」と思われるかもしれませんが、私たち馬渕塗工では、お客様のご自宅を丁寧に診断し、「やるべきならやる、やらなくてもよければ”経過見でOK”」としっかりお伝えしておりますので、ご安心ください。
放置し続けて手遅れになってしまわぬよう、ご自宅の屋根メンテナンス(塗装・塗り替え)ならお気軽にご相談ください!
2024.02.19
屋根・外壁の「塩ビ鋼板」ってどんな素材?メンテナンスのタイミングや注意点まで解説!
「塩ビ鋼板」とは?
塩ビ鋼板(塩化ビニル鋼板)は、鋼板に耐久性の高いポリ塩化ビニル樹脂をコーティングして製造された建材で、多彩な色・サイズ・形状を提供し、腐食や酸性雨に強い点が特長です。その耐用年数が50年以上と非常に長く、土中に埋設された硬質塩ビ管が35年経過しても劣化せず、未使用品と同等の強度を保っている事例もあります。
海岸沿いの建物や美観を重視する箇所にも使用され、住宅設備や電気機器にも幅広く採用されています。通常の金属板より耐久力があり、耐ガス性・耐薬品性も兼ね備えているため、様々な環境下での使用が可能です。
また、塩ビ鋼板はその特性を活かして、破風板や化粧胴差など、日常生活の中で広く使用されており、耐油性や耐薬品性などの特性も持ち合わせているため、工業設備の一部としても利用されています。優れた耐久性と難燃性を持つ塩ビ鋼板は、塩害や紫外線への強さも備えており、長期的な性能の維持が可能なのです。
塩ビ鋼板劣化のサイン「ブリード現象」とは?
塩ビ鋼板の塗装は注意して行わないと、「ブリード現象」と呼ばれる劣化を早めてしまう問題が発生します。
これは、塗装面がベタベタになり、汚れが付着しやすくなる現象です。主な原因は、塩ビ鋼板に含まれる可塑剤が一般的な建築塗料と混ざり、塗膜を軟化させることにあります。特に交通量の多い地域では目立ちやすい問題です。
特に、塩ビ鋼板やシーリング材など、可塑剤を多く含む素材はブリードしやすいため、専用のプライマーを使用することが推奨されます。これにより、塗膜の剥がれや汚れの発生を防ぎ、塗装面の美観を保つことができるのです。
塩ビ鋼板のメンテナンス方法は?
では先に紹介した「ブリード現象」を避けながらメンテナンスを行う方法とは、どのようなものなのでしょうか?
一般的に塩ビ鋼板のメンテナンスには、プライマーとよばれる下地を整えたうえで、錆止め剤を適用することが基本です。これにより塗料の密着を高め、錆止め剤の効果もアップさせます。そして、最後に耐久性の高い塗料で仕上げていきます。
また劣化現象には錆や変色、塗膜の剥離などがあり、これらを未然に防ぐためにも、15~20年ごとの塗り替えが望ましいです。
専門の塗装業者への依頼も視野に!
軽度な劣化であれば、ご自身で塗り直しなどのメンテナンスを行う方も多いでしょう。
しかし塩ビ鋼板のメンテナンスは、先にも解説したブリード現象の発生など間違ったやり方でメンテナンスを行ってしまうと、せっかくの高い耐用年数を損なってしまうことにも繋がりかねません。
そのため、塩ビ鋼板の劣化を感じ始めたら、まずはお近くの塗装業者などに「そもそもメンテナンスを行うべきか?」を診断してもらい、可能であれば専門業者に依頼するとよいでしょう!
当社では、職人歴【20年以上】の経験と知識をもとに、ご自宅の塩ビ鋼板の劣化状況をご報告します。
相談をすると「軽微なものでも塗装営業をされそう…」と思われるかもしれませんが、私たち馬渕塗工では、お客様のご自宅を丁寧に診断し、「やるべきならやる、やらなくてもよければ”経過見でOK”」としっかりお伝えしておりますので、ご安心ください。
放置し続けて手遅れになってしまわぬよう、塩ビ鋼板の劣化を見つけたら、まずはお気軽にご相談ください!
2024.02.19
外壁塗装の「タッチアップ」って何?いつ・どんなタイミングで必要かを解説!
外壁塗装における「タッチアップ」とは?
外壁塗装を依頼する際に「タッチアップ」という言葉をよく耳にするのではないでしょうか?タッチアップとは、外壁塗装の仕上げや工事完了後に、「小さな傷や塗り残し」に対して施す、部分的な補修塗装のことを指します。
具体的には、塗装済みの部分の一部を再塗装する作業や、釘頭を隠すための塗装などさまざまあります。さらに塗装が剥がれた場合にも、このタッチアップを用いて修正します。
つまりタッチアップとは、外壁を長持ちさせるためにも重要な手法であり、完成した外壁に自然な外観を保つために行われる作業というわけです。
タッチアップを行う目的とは?
上で外壁塗装で行うタッチアップがどのような作業なのかについてお話しましたが、そもそもタッチアップは絶対にしなくてはならないものなのでしょうか?
ここからは外壁塗装におけるタッチアップを行うべき理由について詳しく解説していきます!
理由1:外壁劣化の原因になるため
タッチアップを行う大きな目的は、家を外部の損傷から保護する「塗料の劣化や損傷を防ぐこと」にあります。
特に塗り残しや傷ついた部分がある場合、これらの箇所から劣化が進みやすく、家全体の耐久性に影響を与える可能性があります。外壁や屋根は日々、雨、風、紫外線などさまざまな外部からのダメージに晒されており、塗料はこれらから住宅を守るための重要な役割を担っています。
塗料が剥がれると、直接ダメージを受けやすくなり、劣化が加速します。そのためタッチアップはこれらの問題を事前に防ぐために不可欠な作業と言えるわけです。
理由2:美観の問題
外壁塗装のタッチアップは、主に耐久性を高める目的で行われますが、美観を維持するためにも重要です。
外壁塗装というのは、いくら腕の良い職人が塗装しても、小さなキズや、釘の頭の目立ちなど、どうしても塗装後に塗り直し(仕上げ塗り)が必要になるものです。小さな塗り忘れであれば、一見気にならないようにも思いますが、外から見ると意外に目立つことが多く、全体の見栄えに大きく影響します。
つまりタッチアップはこうした美観を維持するためにも行うべき作業なのです。
タッチアップの種類
ここからは実際の外壁塗装で行われる「タッチアップの種類」について解説していきます。
「塗り残し」に対するタッチアップ
先にも解説しましたが、外壁塗装での小さな塗り残しや傷は必ず起こってしまうものですので、これらをタッチアップで綺麗に補修していきます。
このときに重要なのは、補修箇所が周囲と自然に馴染むよう、「元の塗装と同色」で行うことです。直接塗料を塗り足すと、その部分が目立つ恐れがあるため、自然な見た目を保つためには、周囲の色と調和させる工夫が必要です。
特に、塗装後間もない場合は色合わせが容易ですが、時間が経過している場合には、あえて少し汚れを残すことで自然な仕上がりを目指します。
「釘隠し」に対するタッチアップ
タッチアップは、外壁や破風(はふ)板に打ち込まれた釘を隠す際にも有効です。釘を打った後は、外壁に凹凸が生じるため、これを目立たなくするために周囲と同じ色の塗料で上から塗装します。
ただし平らな外壁では釘の部分だけが目立たないようにするのが難しい場合もありますので、タッチアップを行うことで塗装の耐久性を高め、塗装の剥がれを防ぐ効果も期待できます。
タッチアップの流れについて
①:外壁塗装の状態チェック
外壁のタッチアップを開始する前に、まずは外壁の状態をじっくり観察します。この段階では、塗装のチョーキング(粉を吹いている状態)、変色や汚れ、塗装の剥がれや浮きなどがないかを確認します。また、使用されている塗料の種類を把握し、タッチアップ後も周囲の塗装と違和感なくなじむよう、細心の注意を払います。このプロセスは、補修作業が自然に周囲に溶け込むようにするために不可欠です。
②:タッチアップ部分の清掃
次に、補修する箇所の汚れを丁寧に拭き取ります。この作業は、タッチアップが長持ちするために重要です。清潔な基盤でなければ、新たに塗った塗料がうまく定着しない可能性があります。また、補修する範囲や状況に応じて、適切な養生を行い、作業の正確性を高めます。
③:塗料の塗布
清掃後は、選定した塗料を塗っていきます。初期のチェックで同定した塗料と同等のものを使用し、色味や質感が周囲と調和するよう努めます。色の一致を確認するため、塗布後は乾燥させてから最終的な仕上がりを評価します。
最後に、使用する道具(筆、ローラー、カップガンなど)を補修の大きさや形状に合わせて選び、周囲との違いが目立たないよう細心の注意を払って作業します。必要に応じて、錆止め、シーラー、下塗りなどの処理を施し、補修箇所が目立たないように仕上げます。
これらの手順を踏むことで、外壁の小さなひびや傷も、目立たずに長持ちする補修を実現できます。
ただ塗るのと「塗れた状態をつくる」のは別物
タッチアップ作業で、塗り残しのない綺麗な外壁へ
本記事でも紹介した通りタッチアップというのは、あくまでも外壁塗装後の「仕上げ」に過ぎません。しかしタッチアップを行うかどうかで、美観はもちろん、長期間で見たときの「外壁の劣化具合」が大きく異なります。
特にタッチアップ作業は、言ってしまえば施工業者からすると手間な作業なわけですが、完璧な塗装ができた「塗れた状態をつくる」にはタッチアップを行うことは不可欠なのです。
当社では、職人歴【20年以上】の経験と知識をもとに、タッチアップ作業を踏まえた丁寧な施工を行っております。
外壁塗装について相談をすると「軽微なものでも塗装営業をされそう…」と思われるかもしれませんが、私たち馬渕塗工では、お客様のご自宅を丁寧に診断し、「やるべきならやる、やらなくてもよければ”経過見でOK”」としっかりお伝えしておりますので、ご安心ください。
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2024.02.19
モニエル瓦って何?セメント瓦との違いや価格相場まで解説!
モニエル瓦って何?
モニエル瓦とはヨーロッパで生まれたセメント製の屋根材で、主にセメントと川の砂を組み合わせた「乾式コンクリート瓦」です。モニエル瓦の表面には、色をつけるための特殊なセメント着色剤が塗布され、保護のためアクリル樹脂の透明塗料で仕上げられています。
モニエル瓦は施工がしやすく、水の侵入を防ぐ防水性能、温度変化に強い断熱性能、地震に対する耐震性能が高いことが特徴で、デザインの選択肢も豊富で、様々な建物にマッチします。
モニエル瓦の特徴は?
耐震性に優れている
モニエル瓦は、軽量でありながら強固な耐震性を持っていることが大きな特徴です。
従来の粘土・セメント瓦よりも軽いコンクリート製であるため、地震時に建物への負担を軽減し、破損や倒壊のリスクを低減させることが可能です。この軽量性が、安全で安心な屋根材としての信頼性を高めるのです。
断熱・防水性が高い
モニエル瓦に使用されいている「着色スラリー」や「アクリル樹脂系塗料」は、直接外的要因にさらされる屋根にとって、高い断熱性・防水性を与えてくれます。
これにより屋根下の温度を快適に保ちながら、雨水の侵入を防いだり、居住空間の快適性と耐久性を与えてくれるのです。
デザイン性の高さ
モニエル瓦は機能性の高さだけでなく、「色彩豊かな外観(デザイン性)」も特徴です。
和型から洋型までさまざまなデザインがあり、建物の雰囲気に合わせた色や形状を選択できます。この高いデザイン性により、建築物の美観を高めると同時に、個性的な表情を作れるというわけです。
セメント瓦とモニエル瓦の違いは?
日本の住宅瓦の種類には、モニエル瓦とは別に「セメント瓦」があります。
ここからは「モニエル瓦とセメント瓦の違い」について詳しく解説していきます!
1. 「スラリー層」の有無
モニエル瓦はその独特な外観を生み出すために、着色されたセメントの「スラリー層」という箇所をを厚く塗布し、その上にアクリル樹脂系の透明な塗料で保護しています。
このスラリー層により、色彩豊かで耐候性に優れた屋根材となっています。
2. 小口(切断面)の加工の違い
モニエル瓦の小口(切断面)は、砂利が混ざっているためザラザラとした凹凸があります。
セメント瓦は小口が滑らかで、均一な質感なのに対し、モニエル瓦このザラザラとした凹凸のおかげで、耐久性や質感が大きく向上するというわけです。
以上の違いから、モニエル瓦は耐候性や装飾性に優れ、独特の風合いを持つ屋根材として、セメント瓦とは一線を画しています。選択する際は、これらの特性を考慮することが重要です。
モニエル瓦の「2つの強み」とは?
耐震性に優れている
モニエル瓦は、セメントと砂を主材料としており、伝統的な粘土製の瓦よりも軽量である点が特徴です。
この軽さが、地震時における建物への負担を軽減し、耐震性を高める要因となります。屋根の重量は建物の耐震性において重要な考慮事項であり、モニエル瓦はその点で有利な選択肢と言えるでしょう。
軽量でありながら、強度も保持しているため日本のような地震が多い地域に適した建材として推奨されているのです。
デザイン性が高い
モニエル瓦のもう一つの大きな魅力は、そのデザイン性の高さにあります。特有の「着色スラリー」という接着剤層によって、鮮やかで豊富な色彩の塗装が可能になり、建物の外観を美しく彩ります。
また、モニエル瓦は形状のバリエーションが豊富で、S型や平形などの異なる形状から選択できるため、和風、洋風を問わず様々な建築スタイルにマッチし、オリジナリティあふれるデザインを実現できます。
このようにモニエル瓦は、耐震性だけでなく、外観の美しさにも寄与する、機能性と美観を兼ね備えた建材です。
モニエル瓦の弱点は「メンテナンスの難しさ」
モニエル瓦というのは、外資系「モニエル社」が製造・販売していた瓦です。このモニエル社は2010年に日本市場から完全撤退してしまったため、現在では葺き替えなどのメンテナンスが難しくなってしまいました。
またモニエル瓦のメンテナンスには、先に解説したセメント瓦とは異なる塗料などを使用しなければならないため、「セメント瓦はOKだけど、モニエル瓦は塗り替えメンテナンスができない」という塗装業者が多くあるのです。
下記記事では、モニエル瓦の詳しいメンテナンス方法について解説していますので、こちらもあわせてご覧ください!
モニエル瓦の塗り替え・塗装費用はどれくらい?
塗装する場合
塗り替え・塗装の場合の費用感は、おおよそ40〜100万円程度。この費用には、モニエル瓦の特性に合った下塗りや高圧洗浄などが含まれています。
葺き替えの場合
瓦そのものを葺き替える場合は、150〜200万円程度となることが一般的です。これは、既存の屋根材の処分にかかる費用や、新しい屋根材への交換費用が含まれるためです。
それぞれ現状の劣化状況や、塗り替え・葺き替えを行う面積によっても異なりますから、まずは無料診断を通して、正確な見積もりをもらうようにしましょう。
すべての瓦屋根で「同じ修繕方法」はNG!
素材にあわせた適切なメンテナンスを
本記事でも紹介した通り、モニエル瓦は軽くてデザイン性が高い反面、生産終了していることからも、そもそもメンテナンスを受け付けていない業者が多いです。
当然ですが、モニエル瓦とセメント瓦屋根の塗装方法は異なります。「瓦屋根の塗り替えもできますよ!」という塗装会社であっても、そもそもモニエル瓦の塗り替えが可能なのか?を、確認するようにしましょう。
当社では、職人歴【20年以上】の経験と知識をもとに、ご自宅の瓦の種類・劣化状況をご報告します。
相談をすると「軽微なものでも塗装営業をされそう…」と思われるかもしれませんが、私たち馬渕塗工では、お客様のご自宅を丁寧に診断し、「やるべきならやる、やらなくてもよければ”経過見でOK”」としっかりお伝えしておりますので、ご安心ください。
放置し続けて手遅れになってしまわぬよう、岐阜で瓦屋根の塗装・塗り替えなら、まずはお気軽にご相談ください!
2024.02.19
シーリングを撤去してボンドブレイカー貼り付けが重要です
塗装工事で、家の見た目と耐久性を守るためには、細部への注意が必要です。
特に、窓の周りや隙間に使われる「シーリング」という部材は、水漏れや空気の漏れを防ぐ重要な役割を持っています。
今日の作業では、古くなったシーリング材をきちんと取り除き、その後で「ボンドブレイカー」という特別なテープを貼っていきました。このテープは、新しいシーリング材がしっかりと密着し、長持ちするために重要です。
窓の周りにある隙間(目地と呼ばれる部分)は、全て古いシーリング材を取り除きます。
窓の枠のすぐそばには、「打ち代」と呼ばれるスペースが必要ですが、このスペースが不足している場合は、既存のシーリングを完全に取り除く必要があります。
一部の方は、新しいシーリング材を追加する「増し打ち」のみを推奨することもありますが、適切な耐久性と防水性を確保するためには、必要に応じてどのような場所でも古い材料を取り除くことが重要です。
このような手順を踏むことで、家の美観を保ちながら、水漏れや空気漏れを防ぐことができます。