2025.11.06
遮熱塗料の“ウワサ”に親方が回答!「冬は寒くなる」って本当?特徴や効果を徹底解説!
夏になると2階が耐えられないほど暑い、エアコンをつけても電気代ばかりかかる…。そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
そこで今回ご紹介するのが「遮熱塗料」です。
屋根に塗るだけで室温が下がり、電気代が節約できるという話はどこかで聞いたことがあるかもしれません。とはいえ「本当に効果があるのか」「費用に見合うのか」と不安に思う方も多いでしょう。
実は、遮熱塗料の効果は屋根材や日当たりによって大きく変わります。
この記事では、遮熱塗料の仕組みや効果、自宅に合うかの判断基準、失敗しない選び方まで、詳しく解説していきます。
- 遮熱塗料の仕組みと実際の効果
- 遮熱塗料のメリットとデメリット
- 自宅に遮熱塗料が向いているかの判断基準
- 遮熱塗料を選ぶ際のポイント
そもそも「遮熱塗料」とは何か?
遮熱塗料とは、太陽光に含まれる赤外線(熱線)を反射する“特殊な顔料”を含んだ塗料のことです。
通常の塗料は太陽光を吸収してしまうため、表面温度が60〜70℃にもなりますが、遮熱塗料は太陽光を反射することで、屋根や外壁の表面温度の上昇を抑えます。
そうして表面温度が下がることで室内への熱の侵入が減り、結果として室内温度の上昇を抑えることができるというわけなんです。
遮熱塗料にはどんなメリットがあるの?
遮熱塗料には、夏の快適性向上や省エネ効果など、さまざまなメリットがあります。ここでは、遮熱塗料を導入することで得られる3つのメリットを解説します。
①:夏場の暑さを軽減できる!
まず第一に「夏場の暑さ対策」に有効です。
もしも塗料によって室内温度が2~3°C下がった場合、エアコンの設定温度を28℃から29~30℃に上げても快適に過ごせるようになります。
室温が2~3℃下がるだけでも、夏はもっと過ごしやすくなります。
「室内温度が下がる=エアコンを抑えられる」わけですから、間接的に“エアコン代の節約”にもなることが遮熱塗料が選ばれる理由としてよく挙げられます。
一般的な塗料よりも“やや割高”にはなりますが、エアコンの設定温度を1℃上げると約10%節電できると言われていますから、投資対効果も十分あると私たちは考えています。
もちろん家の構造や断熱性、日当たりによって効果は変動しますので、ご不明点があれば職人にご相談いただければと思います。
②:「補助金/助成金」が利用できるケースがある
自治体によっては遮熱塗料の使用に補助金を出しているケースもあります。
これは「住宅のエコ化支援」や「ヒートアイランド対策」など、街をより良くするリフォーム改修に対して支給される補助金です。
遮熱塗料は一般的なものよりも高価なケースが多いですが、補助金を活用することで初期費用の負担を軽減できる可能性があります。
また岐阜をはじめとする自治体だけでなく、「国の補助金制度(住宅エコリフォーム補助金など)」も不定期で行われることがあるので、最新情報をチェックすることをおすすめします。
※対象条件や金額は自治体によって異なるため、最新情報はお住まいの地域の自治体に確認してください。
③:「熱から守る=家を長持ちさせる」効果も!
実は常に太陽光にさらされる外壁や屋根は、日射によって建材が膨張します。
遮熱塗料はそもそも“外壁に熱を溜めない効果”を持っていますから、上記のような熱膨張を防ぎます。当然、遮熱塗料を塗っていないからといって1〜2年で大膨張するわけではありませんが…、10年、20年という長期スパンで考えると、建材の老朽化を不正でくれるのです。
大前提、外壁塗装というのは「色ペンキを塗る作業」ではありません。もちろん色味のリニューアルもできますが、本来は家を長持ちさせるためのメンテナンスという立ち位置が正しいです。
そもそも1回の塗装でどこまでの機能を求めるか?はお客様によって異なりますが、「快適に暮らす」はもちろん、家を末長く守り続けるという塗装本来の目的を叶えるために、遮熱塗料を選ばれる方も増えてきています。
遮熱塗料のデメリット/注意点は?
ここまで遮熱塗料のメリットをご紹介してきましたが、もちろん注意すべき点も存在します。ここからは、遮熱塗料の限界・弱点を正直にお伝えします。
注意点①:冬は暖かくならない
遮熱塗料は太陽光を反射するため、夏は涼しくなりますが、室内の熱を保つ効果(保温効果)はありません。
つまり遮熱塗料に断熱機能はないため、冬に室内の暖気を逃さない効果は持っていないというわけです。
冬場は普通の塗料と同様に室温が下がってしまうため、断熱材や夏と冬どちらにも効果が期待できる断熱塗料など冬の対策は別で検討する必要があります。
まれに「吸熱しない=寒くなるのでは?」というご質問をいただきます。
結論、遮熱塗料は冬の室温を下げる効果はありませんので、冬場の室温は“通常の塗料と同程度”です。
冬は日差し自体が弱く短いため、遮熱塗料で反射したとしても室温への影響はほとんど見られないのです。遮熱塗料でも室内が極端に冷えることはありませんが、寒さ対策になるわけではないため注意が必要です。
遮熱塗料が“非推奨”な家はあるの?
ここまで聞くと「じゃあ遮熱塗料を選ぶべきでは?」と思われるかもしれませんが、実はすべての家に目に見える効果があるわけではありません。
以下のようなケースでは、遮熱塗料の効果が限定的になるケースがあります。
- 高断熱・高気密住宅(家の構造で涼しくなる)
- 日当たりが悪い家(そもそも日が当たらない)
- 寒冷地の建物
- コンクリート屋根の家
繰り返しにはなりますが、遮熱塗料は太陽光に含まれる“赤外線(熱線)を反射する塗料”です。
そのため、そもそも太陽光が届きにくい、もしくは室内に熱が伝わりにくいお家にお住まいの方にとっては遮熱塗料の効果が実感しにくくなる傾向があります。
そのため正直にお伝えすると、すべての家に遮熱塗料が必要なわけではありません。
高額な費用をかけたのに意味がなかった…なんてことにならないためにも、ご自宅の状況を踏まえて本当に必要かを見極めることが大切だというわけですね。
【実践編】遮熱塗料を“選ぶ前”に見るべきポイントは?
一口に遮熱塗料と言ってもさまざまな製品があり、性能や特徴は異なります。ここでは、遮熱塗料を選ぶ際に抑えておきたい3つのポイントを解説します。
「日射反射率」をチェック!(推奨:反射率「50%」以上)
日射反射率(太陽光を反射する割合)が高いほど、遮熱効果が高くなります。
基本的には製品カタログやメーカーのサイトに記載されている数日射反射率ですが、この数値が50%以上あれば「遮熱効果が高い製品」といえます。
遮熱効果の高さで選ぶ際には製品カタログやメーカーのサイトで反射率を必ず確認するようにしてください。
日射反射率は同じシリーズであっても選ぶ色によって変わる場合がある点にも注意が必要です。
やはり理想は白に近い色です。濃い色(黒に近づく)ほど光の吸収が大きいため、やや遮熱効果が落ちてしまいます。ただ「黒にしたいけど、暑くならないか心配…」という方は、むしろ遮熱塗料で黒色を実現いただくのがいいと思います。
※すべてに「遮熱塗料」を使用しているわけではありません。事例の使用塗料についてもお気軽にお問い合わせください。
メーカー検証の「耐用年数」も重要!
反射率だけでなく「耐用年数」も確認するようにしましょう!
塗料のグレードによって寿命は変わりますが、目安は以下の通りです。
- アクリル系:約5~8年
- シリコン系:約10~12年
- フッ素・無機系:15年以上
耐用年数が長くなればその分コストも上がりますが、予算に余裕があれば耐久性の高いフッ素系を選ぶと長期的に安心です。
汚れに強いかどうか
それから、どんな高機能な塗料でも汚れが付くと効果が減退してしまうため、汚れに強い機能があるものがおすすめです。
親水性(雨水で汚れが流れ落ちやすい)や低汚染性(汚れが付きにくい)の表記がある製品を選んでください。メーカーのカタログやサイトで簡単に確認することができます。
馬渕塗工が扱っている遮熱塗料は?
ここでは、当社が取り扱う2つの遮熱塗料をご紹介します。
ラグゼMUKIルーフマイルド遮熱

ラグゼMUKIルーフマイルド遮熱は、関西ペイントが提供する屋根用遮熱塗料で、耐久性と遮熱性を両立したハイグレード製品です。
無機と有機を組み合わせた独自技術で従来のフッ素を超える耐候性を実現しつつ、特殊遮熱顔料「ラグゼIRブロック技術」により赤外線を効果的に反射して屋根温度上昇を抑えます。
夏場の屋根表面温度を10~15℃低減し、室内温度や冷房負荷の軽減にも期待できる塗料です。
さらに「超低汚染」機能を備えており、親水性塗膜が雨とともに汚れを洗い流すので遮熱効果が長持ちします。防カビ・防藻性もあり、屋根の美観を長期間維持できる点もメリットです。
特に真夏の暑さに悩むスレート屋根や金属屋根のお宅向けに、このラグゼMUKI遮熱をおすすめしています。
エシカルプロクール

エシカルプロクールは、近年注目されている遮熱・放熱塗料です。
最大の特徴は、太陽熱を反射するだけでなく熱を素早く放出(冷めやすい塗膜)する点にあります。
また「JIS規格認証」を取得した遮熱塗料でもあります。一般的な遮熱塗料は「塗ってから数年の遮熱性」を担保することを目的としているため、なかなかJIS規格を取得するのが難しいという点がありました。
その点エシカルプロクールは、5〜10年先の遮熱性が担保されていることから、JIS規格を取得できたという背景があります。
また水性で環境に優しく、艶消し気味の上品な仕上がりになるのも特長です。
まとめ:正しい知識で、納得の遮熱塗装を
この記事では、遮熱塗料の仕組みや効果、メリット・デメリット、選び方のポイントまで解説してきました。
遮熱塗料を選ぶ際のポイント
- 日射反射率が高く、明るい色を選ぶ!
- 耐用年数が長い塗料グレードを選ぶ!
- 汚れに強い機能がある製品を選ぶ!
とはいえ、興味があっても塗装屋に相談したら営業されそう…と、心配でなかなか問い合わせできないという方も多いと思います。
私たち馬渕塗工では、お客様のご自宅を丁寧に診断した上で「やるべきならやる、やらなくてもよければ”経過見でOK”」としっかりお伝えしておりますので、ご安心ください。
また当社では、こちらからの営業活動は一切行っておりません。その分の人件費をお客様に還元したいという思いから「Web申込み5%OFF」を実施しています。
どんな軽微な相談でも構いませんので、ご自宅の屋根・外壁でお困りごとがございましたら、ぜひ一度ご相談ください。

